2014年1月3日金曜日

感じることを意識化する


Column 2014 No.1

私たちは他人(ひと)さまを感じることには慣れてきました。
 「他人のことをもう少しは考えなさい」
 「そんなことをしたら他人さまに笑われますよ」
 「そんなことを言ったら嫌われますよ」
 このような環境の中で育ってきた私たちは、他人の目を気にする生き方、他人に合わせる生き方が大切なんだという価値観を無意識に受け入れてしまいました。

これまでカウンセリングを通して多くの方々にお会いしてきましたが、実はその多くの方々が、幼い頃からあまりにもまわりの感情や言動に合わせて生きてきた為に、自分が誰なのか、自分は何を大切に生きていきたいのか・・・が解らなくなり、自分の軸から大きく逸れてしまい、迷い子になってしまった姿でした。

恐れで他人さまを感じるのではなく「愛の心」で他人さまを感じ、思いやりを示すことは人間としてとても美しく大切なことです。しかしそのためには一切の判断をやめて“ありのままの自分を愛する”こと。ありのままの自分を愛するということは、自分の中のどんなネガテブな感情をも許して感じ切り、そこから学び、そして気付いていくということです。そうしない限り他人さまを愛の心で感じることはとても難しいのです。最近の研究結果でも自己受容と相手を受容する度合には密接な関係があることが証明されています。

お釈迦様は生誕してすぐに数歩歩かれ(真偽はともかくとして)天と地を指差し「天上天下唯我独尊」と唱えられたという逸話は有名です。“天にも地にも一人一人自分ほど尊く大切な存在はないのだよ”と言い切っておられるのです。 “自分を尊重し、愛し、大切にできる人だけが、他人さまを大切にできるのだよ。だから自分を大切に! 自分を愛せる分量でしか他人さまは愛せないんだよ・・・”ということを聖者と呼ばれたお釈迦様は生まれながらに(?)理解していらしたのでしょうか。

自分を愛し、自分を大切にする一番のステップが“自分を感じる”ことです。
 「今、私は傷ついたな」
 「今、私はちょっぴりあの人を羨ましいと思ったな」
 「今、私はすごく怒っている」
 親業では、感情に“いい・悪い”は無いと伝えています。感情は人間である証拠です。どんな感情をも受け入れて感じ切っていくことは癒しであり、自分を知ることであり、自分の軸から逸れない生き方であり、これこそが真の「自己受容」の姿だからです。

しかし、恐れで他人さまを感じることに慣れてしまっている私たちは“自分を感じる”ことは容易ではありません。当分は“ああ、また恐れで他人さまを感じているな”と気づき、おっと!と自分の軸に戻り、今の自分の“本当の感情に意識的に気付いていく訓練“が要るかもしれません。しかしこの訓練は大いにやってみる価値があります。

それは自分の軸が太くなっていく道であり、それが“真の自立”であり、「あなたの自己実現の完成」へと直結しているからです。

4 件のコメント:

  1. コメント欄、見つけました!
    コラム、楽しみにしています。

    おとといは満月だったみたいです。
    だからよけいに綺麗だったのかも
    必然に・・・

    自分の感情に気づく訓練・・・訓練は大変だけど楽しくなる所までやってみます!
    わー、宣言しちゃいました。

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    1. MOONさん

      一番初めにコメント欄を見つけてくださったMOONさん! 続いてコメント有難うございます!

      おっしゃるように「感じること」は訓練が要りますが、感じること即ち癒しであり、またすべての言動の基本です。

      自分の感情を掴んでいなかったら、ずれた自己表現となって、相手に伝わらなかったり、誤解を招いたりします。第一自分がスッキリしないでしょう。

      感じることは人間である証です。そして自分の本当の気持にきづいてあげることは自分への最高の愛です。さらに感じることを訓練していきましょうね。


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  2. 「自分を感じる」
    親業を学んでから、随分訓練をしてきたように思います。
    大分、感じることが出来てきたように思います。
    自分の人生なんだから、人のセイにしない。
    自分が選んだ事だから、と自分を受け入れる。

    夫がよく私のセイにした言葉を言いますが、「それ、私のセイ?人のセイにしないで。」
    と言えるようになったし、
    人を妬んだり、人のセイにして腹を立てたりが少なくなってきたような気がします。

    だいぶん修行(訓練)の成果がでてきたのかなあ?
    嬉しいことですね。

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    1. Kiyokoさま

      大分感じることができるようになられたというkiyokoさん 素敵ですね!
      きっと生きることが易しく 楽しくなっていらしたのではないでしょうか。

      自分の感情は自分の責任。相手の感情は相手の責任。そこらあたりが明確になられたkiyokoさんなので、ご主人様に対しても "それは私の責任範囲ではない" という反論がきちんと表現できるわけですね!

      そして他者の感情にむやみに入り込まなくなるので、羨んだり 妬んだりすることもずっと少なくなる…。

      Kiyokoさん 地道に訓練されているんですね! 大きいですね!

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